「和束町で豊かな森をつくろう」プロジェクトチーム

 「和束町で豊かな森をつくろう」プロジェクトチームは、2012年に和束町地域力推進協議会が主催した「わづか まちづくりびと 井戸端会議」にて生まれました。ヒノキ・スギの手入れされなくなった人工林を間伐し、明るい、生態系の保たれた豊かな森の再生と林業の復興を目指しています。

 

 2014年3月から和束町撰(えり)原の「塚穴(つかあな。古墳のこと)の森」にて、山主さんのご協力を得て、町内外の人たちが一緒に月1回、ヒノキ林の間伐作業を行っています。

 

目指す森の姿

 このチームでは、大阪府太子町で生物多様性の回復と林業の復活を目指して人工林の強度間伐をされている太子人工林間伐隊の高田直俊先生(公益社団法人大阪自然環境保全協会 前会長)にご指導いただき、作業を進めています。

 

 太子では、夏でも蚊さえいなかった真っ暗なヒノキ林で6~7割程度の強度間伐を行い、間伐後3年で約100種類の林床植生を数えました。


 撰原の活動地でも、5割程度の間伐率を目指しています。間伐して地面に光が届くようになると、鳥などが運んできて土に埋まっていた種子が発芽し、自然と多様な植生が戻ってきます。陽が当たるようになり、残されたヒノキも元気に成長します。将来的には、ヒノキとヒノキの間に広葉樹がポツン、ポツンと生えているような、土地本来の植生の針広混交林を目指します。もちろん大きく成長したヒノキは、将来、山主さんに材として出荷していただき、林業振興を目指します。

 

※通常の林業では、1haに3000~5000本のスギやヒノキを植栽し、数回の間伐で数10年後に500~600本にして育てられます。チームでは、今後の多段階に及ぶ間伐作業は期待できないため、強度間伐を行います。 

(撰原(えりはら)の「塚穴(つかあな)の森」)

(「塚穴の森」での間伐作業の様子)

間伐作業の前後の森の様子

        2015年8月23日撮影(間伐開始直後)

              

 

2017年7月23日撮影

【参考:間伐6年経過後の森の様子(太子人工林間伐隊)】

「京都府和束町で豊かな森をつくろう」プロジェクトチームは、太子人工林間伐隊の整備方法を参考に活動を行っています。

2007年7月(大阪自然環境保全協会 高田直俊氏提供)

2013年5月(「京都府和束町で豊かな森をつくろう」プロジェクトチーム 小山撮影)

「京都府和束町で豊かな森をつくろう」プロジェクトチーム事務局